INTO THE GROOVE

洋楽/邦楽、メジャー/インディー、分け隔てなく。「今」を生きる、選りすぐりのポップミュージックを。 selected by YAMAGE

グラミー賞 2017 授賞結果 ビヨンセvsアデル対決はアデルが圧勝・・・それでいいのか?

http://stereoday.com/wp-content/uploads/2017/02/grammy2017-logo.jpg

 

グラミー賞 2017」授賞結果が出ました。

 

ちなみに、僕の授賞予想はこちら。 

yamage1988.hatenablog.com

 

 

 

授賞結果は以下の通りです。

 

 

 

Album Of The Year(最優秀アルバム賞)

25 — Adele
Lemonade — Beyoncé
Purpose — Justin Bieber
Views — Drake
A Sailor's Guide To Earth — Sturgill Simpson

 

結果:アデル

(僕の予想:ビヨンセ

http://www.hercampus.com/sites/default/files/2014/11/02/adele.jpg

 

 

 

Record Of The Year(最優秀レコード賞)

"Hello" — Adele
"Formation" — Beyoncé
"7 Years" — Lukas Graham
"Work" — Rihanna feat. Drake
"Stressed Out" — Twenty One Pilots

 

結果:アデル

(僕の予想:アデル)

http://www.hercampus.com/sites/default/files/2014/11/02/adele.jpg

 

 

 

Song Of The Year(最優秀楽曲賞)

"Formation" — Beyoncé
"Hello" — Adele
"I Took A Pill In Ibiza" — Mike Posner
"Love Yourself" — Justin Bieber
"7 Years" — Lukas Graham

 

結果:アデル

(僕の予想:アデル)

http://www.hercampus.com/sites/default/files/2014/11/02/adele.jpg

 

 

 

Best New Artist(最優秀新人賞)

Kelsea Ballerini
The Chainsmokers
Chance The Rapper
Maren Morris
Anderson .Paak

 

結果:チャンス・ザ・ラッパー

(僕の予想:チャンス・ザ・ラッパー)

http://www.billboard.com/files/media/Chance-the-rapper-on-gma-aug-2016-billboard-1548.jpg

 

 

 

 

というわけで、主要部門は概ね予想通り、アデルが圧勝でした。

 

 妥当ではあると思います。いまのデジタル&ストリーミング中心のSNS時代に、アナログ的かつ普遍的な良さを持って世界中から最大公約数的に支持を集め、記録的メガセールスに繋げたアデルは大きな現象ですし、重要人物だと思います。

 

 ただ、アルバム賞だけでも、アルバム賞だけはビヨンセに獲ってほしかった。2016年は社会的意義のある作品が数多くリリースされた豊作の年だったと思うのです。このブログでも何度か触れていますが、「Black Lives Matter」(黒人の生命は大切だ)ムーヴメントとそれに呼応する形で制作された作品群の生々しさや内容の充実ぶり、シーンへの影響力の大きさは無視できないものだったはずです。特に、誰よりも力強く先陣を切ってそれを表現し支持を集めたビヨンセが主要部門で一つも受賞できなかったのって、どうなんでしょうか。チャンスが新人賞を受賞したのは救いではありましたけど、また、ビヨンセやソランジュのサブ部門での受賞はありましたけど、メイン部門がこの結果だと、ちょっと一面的すぎますよね・・・。ここまでバランスの悪さが続くと人種差別だとか政治的だと取られても仕方ないと思います(トランプ政権が誕生して日の浅い混乱期であるため、政治色の強い作品やプロテスト・ソングを避けた、とも取れます)。アデル本人はアルバム賞受賞の際のスピーチをビヨンセへの賛辞に当てていて、謙虚な人格者なんだと思いますし、それを受けて涙していたビヨンセも印象的でした。本人は何も悪くないのです。だからこそ悔しいです。

 

 一方で良かった点もあります。デヴィッド・ボウイは今回ノミネートされていた5部門全てで受賞していて、意外にも生前の1985年以来の2度目の受賞だそうです(こうなると主要部門に絡んでいなかったことが不思議でなりませんが)。あと、チャンスも新人賞の他に最優秀ラップ・パフォーマンス賞、最優秀ラップ・アルバム賞と計3部門受賞していて、ストリーミング作品としては初の受賞ということで意義深いものとなりました。

 

別件ですが、楽しみにしていたプリンスの追悼パフォーマンスはブルーノ・マーズでした。

 

http://amassing2.sakura.ne.jp/image/jacket/large/2017/67984.jpg

 

 彼は過去にライブでプリンスの「Purple Rain」をカヴァーしていたりするし、プリンスからの影響を感じる人なので納得です。ブルーノは「Locked Out Of Heaven」でニューウェイヴとの相性の良さは実証済みですし、「Let's Go Crazy」を選んだのは正解だと思いました。もはやリヴァイバル職人というか、モノマネ芸人にしか見えなくなってきていますが(笑)、歌心の良さでフォローしています。ちなみに、ジョージ・マイケルのトリビュートはなぜかアデルでした。

 

 総じて、今年のグラミーは、良いこともあったけど、昨年のケンドリックのアルバム賞落選からの流れもあってガッカリというか、2010年以降に見せていたバランスの良さが感じられなかったのが残念でした。せっかく良い兆候が見えていたのに勿体無い。

 

下のグラミー公式でノミネーションと受賞者一覧が見られます。

www.grammy.com