INTO THE GROOVE

洋楽/邦楽、メジャー/インディー、分け隔てなく。「今」を生きる、選りすぐりのポップミュージックを。 selected by YAMAGE

グラミー賞 2017 授賞予想

音楽ニュースの絶えない2月ですが、今日はグラミー賞の授賞式です。

 

授賞式前に、主要4部門の授賞予想をしてみます。

 

 

 

Album Of The Year(最優秀アルバム賞)

25 — Adele
Lemonade — Beyoncé
Purpose — Justin Bieber
Views — Drake
A Sailor's Guide To Earth — Sturgill Simpson

 

 

 最優秀アルバム賞は、主要部門のなかでも最も権威のある賞とされています。過去にレディオヘッド、ベック、アーケイド・ファイヤ、キングス・オブ・レオンといった優れたインディ/ロックアルバムの授賞が目立ち、特にアーケイド・ファイヤとキングス・オブ・レオンの受賞は、当時の彼等の知名度を考えるに大抜擢とも取れる意義のあるフックアップでした。グラミーの良心を感じさせる部門でもあります。しかし、昨年は多くの人に授賞を望まれていたケンドリック・ラマーを差し置き、テイラー・スウィフトにこの大賞を獲らせて物議を醸し出しました。

 

 今年は、ビヨンセとアデルの一騎打ちで間違いないでしょう。人種やジェンダーなど現在アメリカを中心に起こっている社会問題を自身のアイデンティティに絡めながらエモーショナルに語り、音楽的にも最先端かつ多くのクロスオーヴァーを実現した超大作。かたやSNS時代の人々のアナログ欲求を掻き立て国民的支持を集め、近年稀に見るメガセールスを記録した名盤。どちらが獲ってもおかしくはないです。どちらを授賞させるかで、いまのグラミーのスタンスが浮き彫りになるはずです。

 

 僕としては、間違いなくビヨンセに獲ってほしいです。作品として受賞する価値があるものだし、前年のケンドリックと並び、近年加熱している「Black Lives Matter」ムーヴメントに言及した意義のある作品です。昨年のケンドリックや多くのブラック・ミュージシャンの無念を晴らすためにも受賞してほしいです。僕はビヨンセがアルバム賞を獲ってくれれば他はどうでもいいってくらい、ここだけは期待しています。

 

予想:ビヨンセ

(希望:ビヨンセ

 

 

 

Record Of The Year(最優秀レコード賞)

"Hello" — Adele
"Formation" — Beyoncé
"7 Years" — Lukas Graham
"Work" — Rihanna feat. Drake
"Stressed Out" — Twenty One Pilots

 

 

 リアーナが主要部門だとここしかチャンスがないのもありますが、是非とも「Work」に獲ってもらいたいです。昨年の僕の年間ベストでも触れていますが、2016年のベストアンセムの一つでした。時代の空気感を含んだ名曲という意味では「Formation」も捨て難いですけど。

というのが僕の願望ですが、これまでのグラミーのアデルへの評価と前作での無双ぶりを踏まえると、アデルが獲っちゃうような気がします。「Hello」良い曲だけどそこまで影響力のある楽曲とは思えないんですが。

 

予想:アデル

(希望:リアーナ)

 

 

 

Song Of The Year(最優秀楽曲賞)

"Formation" — Khalif Brown, Asheton Hogan, Beyoncé Knowles & Michael L. Williams II, songwriters (Beyoncé)
"Hello" — Adele Adkins & Greg Kurstin, songwriters (Adele)
"I Took A Pill In Ibiza" — Mike Posner, songwriter (Mike Posner)
"Love Yourself" — Justin Bieber, Benjamin Levin & Ed Sheeran, songwriters (Justin Bieber)
"7 Years" — Lukas Forchhammer, Stefan Forrest, Morten Pilegaard & Morten Ristorp, songwriters (Lukas Graham)

 

 これがレコード賞と違うのは、ソングライターやプロデューサーなど楽曲の制作者に与えられる賞だという点です。ノミネーションの中だと僕はビヨンセを推します。

が、なんとなく、ここもアデルが獲る気がします。ジャスティン・ビーバーのエド・シーランによるこの曲は弱いかな。マイク・ポスナーはなぜノミネートされているのかよくわかりません。

 

予想:アデル

(希望:ビヨンセ

 

 

 

Best New Artist(最優秀新人賞)

Kelsea Ballerini
The Chainsmokers
Chance The Rapper
Maren Morris
Anderson .Paak

 

 チャンス・ザ・ラッパーに獲ってほしいです。CDリリース無し/ストリーミングオンリーのアーティストが受賞となると意義深いです。で、その話題性もあるので勢いでチャンスが獲ってしまうのでは、と予想します。

 新人賞は過去にカントリーの授賞もちらほら見受けられるので、ケルシー・バレリーニとマーレン・モリスも有力です。チェインスモーカーズとアンダーソン・パークはない気がします。

 

予想:チャンス・ザ・ラッパー

(希望:チャンス・ザ・ラッパー)

 

 

 

あと、授賞式でのパフォーマーリストも見ておきましょう。パフォーマーは以下のように発表されているのですが、

 

Adele
Kelsea Ballerini
Chance the Rapper
Katy Perry
Bruno Mars
Lady Gaga & Metallica
The Weeknd & Daft Punk
Maren Morris & Alicia Keys
Anderson .Paak & A Tribe Called Quest
Lukas Graham
Carrie Underwood & Keith Urban
Demi Lovato, Andra Day & Tori Kelly
Sturgill Simpson
John Legend & Cynthia Erivo
Little Big Town
Gary Clark Jr. & William Bell

 

 (特に主要部門に)今回ノミネートされたアーティストが不在なのが気になります。ビヨンセもリアーナもドレイクもビーバーもいない。代わりに、今回の賞レースとは無縁のポップスターが目立ちます。昨年フランク・オーシャンがグラミーのノミネーションへの拒否を表明していましたが、ブラック・ミュージシャンを中心にグラミー不信の流れがあるのでしょうか。それとも単に出演サイクルの問題か。授賞もやっぱりアデルが有利に働く気がしないでもないです。

 

 とはいえ、パフォーマンス単体で見れば楽しみなものもあります。ウィーケンド&ダフト・パンク、アンダーソン・パーク&トライブ・コールド・クエストが気になります。チャンスも楽しみ。ブルーノ・マーズやガガもパフォーマンス力が高いので安心して見られそうです。

 

 そして一番気になるのは、プリンスとジョージ・マイケルの追悼パフォーマンスの構成と誰が歌うかです。特にプリンスに関しては個人的に思い入れが強いので楽しみである反面、面子を見る限り適任がいるのかなとやや不安だったりします。

 

さて、今年のグラミー、どうなるでしょうか。授賞結果発表後にまたブログ更新します。