PLAYLIST - 2016.10.13 NEW TRACKS
TR-1. Aimer - 蝶々結び
最近よく名前を見かけるので気になってました。Aimer(エメ)という日本の女性歌手です。2013年以降に「機動戦士ガンダムUC」関連でヒットを飛ばしていた人みたいですね。2016年は彼女にとって勝負の年のようで、ONE OK ROCK、凛として時雨など有名アーティストをプロデューサーに添えてシングルを連続リリースしています。で、この曲は現在黄金期を迎えている野田洋次郎(RADWIMPS)がプロデュースということで話題になっています。
耳に残る独特の声質とメロディラインで、ちょうどRADWIMPSが出始めたゼロ年代のJ-POPのような懐かしさもある曲なんですが、ちょっとオーバープロデュースな感じがして、曲単位で見れば良いのかもしれませんが、人物として興味が持てないところはあります。歌声を売りにするためにキャラクター性を消しているのもあるのでしょうが。
TR-2. Billie Marten - Milk & Honey
ビリー・マーテン。BBC「Sound Of 2016」にもノミネートされていた人ですが、1999年生まれの現在17歳だというから驚き。ホーンアレンジの効いたダイナミックな楽曲に彼女のウィスパー・ヴォイスが合います。まだいまいちキャラクターが掴めませんが、攻め方次第ではロードのように化けるかも。
TR-3. Bruno Mars - 24K Magic
マーク・ロンソンとの“Uptown Funk”がメガヒットを記録したブルーノ・マーズの新曲。
“Uptown Funk”でのディスコ・ファンク路線を継承しつつも、ザップ・オマージュなトークボックスを駆使したブギー・チューンで攻めてきました。これはリヴァイバル・ミュージックなので目新しさこそないですが、ディスコ・ファンク・ブームの中でありそうでなかった分野をピンポイント突いてきたという点で技あり。また街でクラブでブルーノの曲が流れまくるんだろうなと思うと嬉しいです。
TR-4. DAOKO - ダイスキ with TeddyLoid
TR-5. Danny Brown (feat. Kendrick Lamar, Ab-Soul & Earl Sweatshirt) - Really Doe
TR-6. Flamingosis (feat. The Kounts) - Bright Moments
TR-7. Flume (feat. Tove Lo) - Say It
TR-8. FWENDS - Why Can't You See
TR-9. Glass Animals - Life Itself
バンドもので最近聴いたなかだとこれが一番エキサイティングでした。イギリスのオックスフォード出身のグラス・アニマルズの2ndアルバムより。
民族的なビートが真っ先に耳を引くトラックはポップでエレクトロな展開を見せるもいやらしさはなくむしろ知的。ヴォーカルの緩急の効かせ方も見事。なんだか、最近あまり名前を耳にしなくなりましたがフォスター・ザ・ピープルに近いバランス感覚の良さを感じます。次のアルバムあたりで化けてくれないかな。
TR-10. Hailee Steinfield & Grey (feat. Zedd) - Starving
TR-11. How To Dress Well - Lost Youth / Lost You
TR-12. illion - Water lily
実はillion名義の曲をちゃんと聴くのははじめてなのですが、彼はメロディメイカーとして優れた人なんだなと思いました。きっとRADWIMPSでの活動だけでは足りないのであろう彼の創作欲求の強さを、音色豊かなこの曲から感じます。ドラマティックな構成と多重コーラスはサカナクションを思わせる美しさ。ただ、綺麗に丁寧に作られた曲だとは思いますが、今の音って感じはそこまでしないかな。
TR-13. J. Balvin (feat. Pharrell Williams, BIA & Sky) - Safari
TR-14. Kaytranada (feat. SYD) - You're The One
TR-15. Mac Miller (feat. Anderson .Paak) - Dang!
TR-16. MOP of HEAD (feat. UCARY THE VALENTINE) - Do It
MOP of HEADというのは、日本のオルタナティヴ・ロックバンド。この曲は彼等がUCARY THE VALENTINEという女性シンガーソングライターを迎えて制作した企画シングルなんですが、僕はこのUCARYという人物が気になりました。
木村カエラのMVに出演していたということで、なるほど木村カエラのフォロワーかと思いきや、僕としては、昨年末に活動休止してしまった'N夙川BOYSの紅一点、マーヤLOVEの面影を感じて応援したくなりましたね。インディースピリットとやさぐれ感を漂わせる独特の存在感があります。
TR-17. Nick Cave - I Need You
オーストラリア出身の大御所シンガーソングライターによる6分に及ぶ大曲。
ニックは2015年に最愛の息子アーサーを不慮の事故で失くしているのですが、彼のニューアルバム“Skelton Tree”そしてこの“I Need You”は、その息子について言及したレクイエム的作品になっています。抑制を効かせた歌いまわしと、“I Need You”とたたみかける彼の詩に息子への計り知れない愛と激情を感じて涙なしには聴けません。ドラムとシンセを中心に構成された、エレクトロニクスで重厚感を生む音作りはデヴィッド・ボウイの遺作に通じるものあり、楽曲の持つ重みやスケール感で言えば、ニックが影響を受けたであろうジョニー・キャッシュの“Hurt”に迫るものがあります。
TR-18. Nulbarich - NEW ERA
ナルバリッチ。海外のバンドかと思ったら、日本のバンドでした。The fin.然り、Ykiki Beat然り、この手のバンドが増えてますね。楽曲はまんまマルーン5で面白くはないのですが、楽曲のクオリティは高いですし気になるバンドです。
TR-19. Private Island - Drugs
TR-20. RADWIMPS - 前前前世
TR-21. Regina Spektor - Black And White
TR-22. ScHoolBoy Q (feat. Miguel & Justin Skye) - Overtime
TR-23. SG Lewis (feat. Gallant) - Holding Back
SGルイスは、ディスクロージャーやジェシー・ウェア等を発掘したUKのレーベル<PMR>が新たにプッシュしている新人トラックメイカー/プロデューサー。職場のDJやってる後輩が教えてくれました。ゲストヴォーカルのギャラントも新人で、アッシャーを思わせる艶やかな歌声が気持ちいいです。というかほぼアッシャーですね。タイムレス感のあるR&B/ディスコ・ソウルで、これからが気になる人です。
TR-24. Snakehips (feat. ZAYN) - Cruel
TR-25. The Weeknd (feat. Daft Punk) - Starboy
ウィーケンド待望のニューアルバムのタイトルトラックでありリードシングル。
ダフト・パンクとのコラボということで、“Can't Feel My Face”路線のファンク・チューンを届けてくれるのではとリリース前から期待をしていました。が、蓋を開けてみると、エレクトロ色強めのR&Bといった感じで、ミステリアスな雰囲気と独特のグルーヴ感は良い感じではあるのですが、このビッグネーム2組が組んだにしては、ましてリードシングルにしてはちょっと弱いですかね。これがもしダフト・パンクのニュー・アルバムの4、5曲目あたりにさらっと収められていたとしたら、もっと聴こえ方は違っていたのかもしれませんが。
TR-26. X0809 - -30
TR-27. Years & Years - Meteorite
TR-28. あきお & bo en - いただきます
Maltine Recordsからのニューリリースは、英国のトラックメイカーbo enとSugar's CampaignのヴォーカルあきおのコラボEP。
これは良い企画です。3曲目の“うぃーけんど”という曲も良いのですが、一押しは2曲目の“いただきます”。bo enの90年代J-POPへの目配せも感じられるカラフルなバブルガム・ポップとあきおの爽やかなヴォーカルとの相性は抜群。教育番組で流れて位でも不思議じゃない底抜けにハッピーなナンバーなんですが、ほどよくマニアックな音使いで耳が喜ぶというか理屈抜きで楽しい。
TR-29. 宇多田ヒカル (feat. 椎名林檎) - 二時間だけのバカンス
宇多田ヒカルのニューアルバムについては聴きこんでいる最中ですが、椎名林檎とのこの曲は良い意味で肩の力が抜けていていいですね。歌詞も楽曲も人選も、人間活動を経た今の宇多田だからこそ成立している必然的なものな気がします。
TR-30. カフカ - Ice Candy
TR-31. 中田ヤスタカ (feat. 米津玄師) - NANIMONO
TR-32. 星野源 - 恋
TR-33. 米津玄師 - LOSER
今話題の人です。徳島県出身のシンガーソングライター/イラストレーター/ビデオグラファー。「よねづ けんし」と読みます。もともとニコニコ動画で「ハチ」名義で作品を発表して一部では有名だった人みたいですね。米津玄師としてデビュー後、2015年には第57回日本レコード大賞で優秀アルバム賞を受賞。
RADWIMPSやBUMP OF CHICKEN、ASIAN KUNG-FU GENERATION等J-ROCKからの影響を本人が公言していますが、たしかに歌いまわしや言葉選びのセンスはこれらバンドに通じるものがありますね。この曲は特に言葉数多めのラップ/ポエトリー要素が強いあたりRADWIMPSっぽい。彼の歌にある厨二的感覚というか、弱さや恥ずかしさを肯定する強さ、かっこよさって、上記のバンドやSEKAI NO OWARI(というかFukase)を筆頭に、ゼロ年代以降のヒーロー像として求められてきたもので、そういう若者の代弁者、ニューアイコンとして「敗北者の語り部」米津玄師が選ばれたんでしょうね。要注目。