2016年 ベスト・ソング (100位→21位)
BEST SONGS of 2016 (100位→21位)
今年は思い切って100曲をランキング形式で発表します。2016年らしさ、シーンへの影響力、そして僕の好みという3つのポイントを感覚的に合算して順位をつけてみました。ここ一週間ほど毎日のように順位を入れ替えては悩んでを繰り返していたのですが、年を越す前に発表したかったのでこれでフィックスします。
100. METAFIVE - Luv U Tokio96. サカナクション - 多分、風。93. Flume (feat. Kai) - Never Be Like You86. D∆WN - Renegades83. TAEYEON - Why
高橋幸宏、小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井というビッグネームから成るスーパープロジェクト。年始のこのバンドの本格始動は、2016年が音楽的に充実した1年になることを予感させてくれた出来事でした。この「Luv U Tokio」、この6人が組んだにしては・・・って声も聞こえてきそうではありますが、メンバーに格別思い入れがあるわけではない僕が聴くに良いトラックだと思います。
サマソニで彼等のパフォーマンスを拝見しましたが、テクノにニューウェイヴ、ファンクと次々と色味と音像を変化させていく様は科学実験を見ているようで楽しかったし、音の縦横無尽さと緻密さはこの6人ならではと感じましたね。あと、回顧趣味に成りかねないこのバンドに華と同時代性を添えるLEO今井の存在は大きいと思いました。
あと、選外にしましたが、この手のチャートヒットだと今年はチェインスモーカーズが印象的でした。彼等による「Closer」で、この手のサウンドは一気に賞味期限を早くした感があります。
80. Justin Timberlake - Can't Stop The Feeling!
79. DAOKO - BANG!
78. 星野 源 - 恋
77. ENJOY MUSIC CLUB - 夏の魔法
76. ミツメ - あこがれ
75. Major Lazer (feat. Justin Bieber & MØ) - Cold Water
74. A Tribe Called Quest - We The People...
73. NAO - Girlfriend
72. Maison book girl - lost AGE71. Dalshabet - Someone Like U
70. BLACKPINK - Whistle
69. Mac Miller - Stay
68. Beck - Wow
67. Rat Boy - Get Over It
66. Blossoms - Charlemagne
65. The 1975 - The Sound
64. Beyoncé (feat. Jack White) - Don't Hurt Yourself
63. Rae Sremmurd (feat. Gucci Mane) - Black Beatles
62. Whitney - Golden Days
61. ZICO (feat. Crush & DEAN) - Bermuda Triangle
米ビルボードがストリーミングでの視聴回数を集計方法に加えたことで、「Gangnam Style」や「Harlem Shake」なんて変わり種がチャートヒットを飛ばすようになりましたが、レイ・シュリマーとグッチ・メインによる「Black Beatles」も、そんなストリーミング・サーヴィスの力を利用してヒットした1曲。「マネキン・チャレンジ」(#MannequinChallenge)という企画のBGMとしてこの曲が使われ拡散されたことで有名になったわけですが、これが一過性のコミックソングではなくクオリティの高い楽曲だったのが良かった。
今年はK-POP勢も充実していました。少女時代のソロデビュー組の曲は欧米のトレンドを意識したポップスとして優秀だったし、BLACKPINKのデビューも華やかで印象的でした。そんななか突出して良かったのが、ZICO、Crush、DEANによるこの曲。トラックが先鋭的でカッコいい。
60. Shura - What's It Gonna Be?
59. Lady Gaga (feat. Florence Welch) - Hey Girl
58. 宇多田ヒカル (feat. 椎名林檎) - 二時間だけのバカンス
57. banvox - High And Grab
56. Yunomi (feat. nicamoq) - ロボティックガール
55. Awesome City Club - Don't Think, Feel
54. Chari XCX (feat. Lil Yachty) - After The Afterparty
53. Blood Orange - Better Than Me
52. Mura Masa - What If I Go?
51. chelmico - Love is Over
50. Big Baby D.R.A.M. (feat. Erykah Badu) - WiFi
49. Nick Cave & The Bad Sees - I Need You
48. Christine & The Queens - Tilted46. Pa's Lam System - TWISTSTEP45. banvox & Nor - Flux
44. TORIENA × nagomu tamaki - Life is a game
43. Drake (feat. Rihanna) - Too Good
42. Sia - Cheap Thrills
41. Bruno Mars - 24K Magic
日本を代表するネットレーベル、マルチネレコーズ出身のトリオDJ/トラックメイカーチームPa's Lam System(通称パズラム)。今年トイズ・ファクトリーよりショットでリリースしたEP表題曲。彼等の持ち味であるヴォイスサンプルを聴かせつつ、目まぐるしい展開を見せる高密度なフューチャーベース・サウンドは健在。リミックスを含め現場で幾度となく耳にしたアンセムの一つでした。
ドレイクは今年も強かった。彼の楽曲は2016年だけで47億回ストリーミングされたそう。今年のアルバム『Views』からだと「One Dance」が最も人気で評価も高かった曲ですが、僕はリアーナとの「Too Good」を推します。「One Dance」とも共通してダンスホール/レゲエの新解釈を打ち出した楽曲ですが、ミニマルなビートのなかに哀愁漂う民族的なアレンジが夏を感じさせて心地好い。リアーナの控えめなヴォーカルも良し。
もはやリヴァイバル職人になりつつあるブルーノ・マーズですが、これは「Treasure」や「Uptown Funk」で見せたブラック・コンテンポラリー路線を継承しつつ、Gファンクの復刻に挑んだ力作ですね。80年代のZAPPを彷彿させるトークボックスも、こうしてオートチューンが流行った後に聴いてみるとかえって新鮮なのが面白く、目の付けどころがさすがだなと思いました。
40. Charli XCX - Vroom Vroom
39. SG Lewis (feat. Gallant) - Holding Back
38. CHERRYBOY FUNCTION - DISTOPIA (INTER-TECH)
37. Empress Of - Woman Is A Word
36. Maggie Rogers - Dog Years
35. Gordi - Can We Work It Out
34. Radiohead - Daydreaming
33. Beyoncé - Formation
32. tofubeats - SHOPPINGMALL
31. 水曜日のカンパネラ - 松尾芭蕉
30. Ariana Grande - Into You
29. Frank Ocean - Pink + White
28. Kero Kero Bonito - Trampoline
27. Perfume - FLASH
26. Yunomi (feat. TORIENA) - 大江戸コントローラー25. STUTS (feat. PUNPEE) - 夜を使いはたして
24. Francis & The Lights (feat. Bon Iver & Kanye West) - Friends
23. Bon Iver - 33 "GOD"
22. Angel Olsen - Sister
21. Mitski - Your Best American Girl
このブロックには、フォーク/ロック系の女性シンガー・ソングライターからミツキ、エンジェル・オルセン、ゴーディ、マギー・ロジャーズの4組を入れました。後者2組はあまり有名ではない若手なのですが、フォークとエレクトロニクスの均衡の取れたトラックでバランス感覚に優れた二人なので興味がある方はぜひ聴いていただきたい。ですが、歌詞も含めて1曲あげるとしたら、ミツキの「Your Best American Girl」ですね。
ミツキは日米ハーフの1990年生まれで、この曲ではアメリカ人の恋人に向けて、アメリカを活動の拠点にしながらもアメリカに属しきれないハーフならではのもどかしさを歌っています。コーラスの"Your mother wouldn't approve of how my mother raised me"(あなたのお母さんは、私が(私の)お母さんにどう育てられたか受け容れられないでしょうね)という一節が切実に、痛々しく美しいグランジ・ギターと共に鳴り響く一曲。
Yunomi (feat. nicamoq)の「ロボティックガール」がSoundCloudからリリースされた当時、僕のまわりで「才能のあるトラックメイカーが出てきた!」と随分騒がれていたもので、僕も気になって聴いてハマった次第です。インパクトの大きさは中田ヤスタカ(CAPSULE)をはじめて聴いた時以来かも。この「大江戸コントローラー」でヴォーカルを務めるのは、チップチューンをベースに幅広い音楽性を掲示するトラックメイカー/ヴォーカリストのTORIENAで、底抜けにキャッチーな和風エレクトロとチップチューンの組み合わせが斬新で面白い。