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INTO THE GROOVE

洋楽/邦楽、メジャー/インディー、分け隔てなく。「今」を生きる、選りすぐりのポップミュージックを。 selected by YAMAGE

2016年 ベスト・ソング (100位→21位)

BEST SONGS of 2016 (100位→21位)

 

 今年は思い切って100曲をランキング形式で発表します。2016年らしさ、シーンへの影響力、そして僕の好みという3つのポイントを感覚的に合算して順位をつけてみました。ここ一週間ほど毎日のように順位を入れ替えては悩んでを繰り返していたのですが、年を越す前に発表したかったのでこれでフィックスします。

 

 

 高橋幸宏小山田圭吾砂原良徳TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井というビッグネームから成るスーパープロジェクト。年始のこのバンドの本格始動は、2016年が音楽的に充実した1年になることを予感させてくれた出来事でした。この「Luv U Tokio」、この6人が組んだにしては・・・って声も聞こえてきそうではありますが、メンバーに格別思い入れがあるわけではない僕が聴くに良いトラックだと思います。   
 サマソニで彼等のパフォーマンスを拝見しましたが、テクノにニューウェイヴ、ファンクと次々と色味と音像を変化させていく様は科学実験を見ているようで楽しかったし、音の縦横無尽さと緻密さはこの6人ならではと感じましたね。あと、回顧趣味に成りかねないこのバンドに華と同時代性を添えるLEO今井の存在は大きいと思いました。

 

 海外のヒットから1曲。一時チャートを占拠していたキャラクター先行のセレブポップやノリだけのEDMは影を潜め、ディスクロージャーサム・スミスの「Latch」のヒットあたりから、趣向を凝らしたダンストラックに美声ヴォーカルを乗せた楽曲がトレンドになりました。フルームとカイによるこの曲もその典型で、R&Bとトラップミュージックの中間を行くトリッピンなサウンドが2016年のヒットって感じでした。
 あと、選外にしましたが、この手のチャートヒットだと今年はチェインスモーカーズが印象的でした。彼等による「Closer」で、この手のサウンドは一気に賞味期限を早くした感があります。
 
 
 

 

 米ビルボードがストリーミングでの視聴回数を集計方法に加えたことで、「Gangnam Style」や「Harlem Shake」なんて変わり種がチャートヒットを飛ばすようになりましたが、レイ・シュリマーとグッチ・メインによる「Black Beatles」も、そんなストリーミング・サーヴィスの力を利用してヒットした1曲。「マネキン・チャレンジ」(#MannequinChallenge)という企画のBGMとしてこの曲が使われ拡散されたことで有名になったわけですが、これが一過性のコミックソングではなくクオリティの高い楽曲だったのが良かった。

 

  今年はK-POP勢も充実していました。少女時代のソロデビュー組の曲は欧米のトレンドを意識したポップスとして優秀だったし、BLACKPINKのデビューも華やかで印象的でした。そんななか突出して良かったのが、ZICO、Crush、DEANによるこの曲。トラックが先鋭的でカッコいい。

 

 

 日本を代表するネットレーベル、マルチネレコーズ出身のトリオDJ/トラックメイカーチームPa's Lam System(通称パズラム)。今年トイズ・ファクトリーよりショットでリリースしたEP表題曲。彼等の持ち味であるヴォイスサンプルを聴かせつつ、目まぐるしい展開を見せる高密度なフューチャーベース・サウンドは健在。リミックスを含め現場で幾度となく耳にしたアンセムの一つでした。

 

 ドレイクは今年も強かった。彼の楽曲は2016年だけで47億回ストリーミングされたそう。今年のアルバム『Views』からだと「One Dance」が最も人気で評価も高かった曲ですが、僕はリアーナとの「Too Good」を推します。「One Dance」とも共通してダンスホール/レゲエの新解釈を打ち出した楽曲ですが、ミニマルなビートのなかに哀愁漂う民族的なアレンジが夏を感じさせて心地好い。リアーナの控えめなヴォーカルも良し。

 

 もはやリヴァイバル職人になりつつあるブルーノ・マーズですが、これは「Treasure」や「Uptown Funk」で見せたブラック・コンテンポラリー路線を継承しつつ、Gファンクの復刻に挑んだ力作ですね。80年代のZAPPを彷彿させるトークボックスも、こうしてオートチューンが流行った後に聴いてみるとかえって新鮮なのが面白く、目の付けどころがさすがだなと思いました。

 

 このブロックには、フォーク/ロック系の女性シンガー・ソングライターからミツキ、エンジェル・オルセン、ゴーディ、マギー・ロジャーズの4組を入れました。後者2組はあまり有名ではない若手なのですが、フォークとエレクトロニクスの均衡の取れたトラックでバランス感覚に優れた二人なので興味がある方はぜひ聴いていただきたい。ですが、歌詞も含めて1曲あげるとしたら、ミツキの「Your Best American Girl」ですね。

 ミツキは日米ハーフの1990年生まれで、この曲ではアメリカ人の恋人に向けて、アメリカを活動の拠点にしながらもアメリカに属しきれないハーフならではのもどかしさを歌っています。コーラスの"Your mother wouldn't approve of how my mother raised me"(あなたのお母さんは、私が(私の)お母さんにどう育てられたか受け容れられないでしょうね)という一節が切実に、痛々しく美しいグランジ・ギターと共に鳴り響く一曲。

 

 その他に、このブロックには、チャーリーXCX、ケロ・ケロ・ボニト、エンプレス・オブ、Perfumeなどエレクトロ系の女性アクトを入れました。ポップスター系も入れると、ビヨンセアリアナ・グランデ、水カンもそうですね。そんなエレクトロアクトの中から1曲紹介したいのが、今年インターネット界隈から彗星の如く登場したポップメイカーYunomi(ちなみに男性です)とチップチューンガールTORIENAによる「大江戸コントローラー」。
 Yunomi (feat. nicamoq)の「ロボティックガール」がSoundCloudからリリースされた当時、僕のまわりで「才能のあるトラックメイカーが出てきた!」と随分騒がれていたもので、僕も気になって聴いてハマった次第です。インパクトの大きさは中田ヤスタカCAPSULE)をはじめて聴いた時以来かも。この「大江戸コントローラー」でヴォーカルを務めるのは、チップチューンをベースに幅広い音楽性を掲示するトラックメイカー/ヴォーカリストのTORIENAで、底抜けにキャッチーな和風エレクトロとチップチューンの組み合わせが斬新で面白い。
 
 
 
というわけで、100位から21位まで一気に紹介しました。
 
次の記事で20位から1位までいきます。