PLAYLIST - 2016.11.14 NEW TRACKS
TR-2. [Alexandros] - Feel Like
[Alexandros]のことは「海外で人気の高い日本のバンド」という認識しかなくちゃんと聴いたことがなかったのですが、この曲で彼等を意識することになりました。
YouTubeにあがっている彼らの楽曲を一通り聴いてみて、メロディアスでダイナミックなバンドサウンドと甘いハイトーンヴォーカルの組み合わせ(ざっくりした感想でスミマセン)は、むしろ日本人受けしそうな印象を受けましたが、この曲こそ向こうで受けそうな感じがしましたね。UKインディロックバンドにありがちな泣きメロでお洒落なムードがありますし、80sライクなクールなヴァイブスはThe 1975に共振するところもあり同時代性を感じますね。圧倒的なオリジナリティは感じられないですが、素直に良い曲だと思います。
TR-3. Alicia Keys - Holy War
TR-4. The Avalanches - Because I'm Me
TR-5. Bruno Mars - Versace On The Floor
今回のリストだとこれがぶっちぎりで好きです。ブルーノ・マーズのまもなく発売されるニューアルバム“XXIV Magic”からのニュートラック。
前曲の“24K Magic”はトークボックスを取り入れた安定のディスコ・ブギーでしたが、今回は80s後半の、ニュー・エディションやクール&ザ・ギャング、あるいはマイケルを彷彿させる極上バラードですね。この手のR&Bは僕は大好きで十代の頃によく聴いていたので、当時を思い出してキュンとなっちゃいました。これからの季節にもぴったりですし。ド直球のリヴァイバルなので新しさこそないですが、今聴くとかえって新鮮というか、あまり取り上げられてこなかった曲調でもあります。という意味で、これも技ありですね。
TR-6. Blood Orange - I Know
TR-7. The Chainsmokers (feat. Halsey) - Closer
長いこと全米1位を独走していた“Closer”のMVがようやく到着。ということで改めて聴いています。
ここ数年のヒット曲には、すべてに当てはまるわけではないですけどある法則があって、「一緒に口ずさみたくなるメロディライン」と「美声(歌の上手さ、声質の良さ)」だと思うんですね。当時まだ無名だったディスクロージャーとサム・スミスの“Latch”や、顔無き歌い手シーアの“Chendelier”が売れはじめたあたりからその流れは感じていたのですが、一昔前のセレブ・シンガーやビートモノのEDMが主流だった頃とは違って、今は匿名でも良い音(EDMの反動もあり歌心のあるもの)、良い声が求められている時代な気がします。この曲もその典型ですね。一定の作家性を持たないチェインスモーカーズの名前は残らなくとも、「ああ、こんな曲あったな」って楽曲の名前は残るんでしょうね。
TR-8. Charli XCX (feat. Lil Yachty) - After The Afterparty
“Boom Clap”とアルバム“SUCKER”でメインストリームにのし上がりブレイクしたチャーリXCXですが、最近はマイペースに活動しているようですね。ソフィーと組んだEP“Vroom Vroom”も良かったですが、今回はジョージア州アトランタ出身の19歳のラッパー、リル・ヨッティーをゲストに迎えています。こういう人選とか、ハロウィンのタイミングに合わせてリリースしたMVでのファッション・アイコンぶりを見る限り、センスのある人なんだと思いますし、面白い動きをしてくれそうだと期待しています。
TR-9. Common (feat. Stevie Wonder) - Black America Again
TR-10. Daya - Sit Still, Look Pretty
TR-11. Drake - Fake Love
TR-12. Frank Ocean - Nights
TR-13. Gordi - Can We Work It Out
TR-14. Jamila Woods (feat. Chance The Rapper) - LSD
TR-15. Junior Boys - Kiss Me All Night
TR-16. Hazel English - Make It Better
TR-17. Hudson Mohawke - Play N Go
TR-18. illion (feat. 5lack) - Hilight
TR-19. iri - rhythm
TR-20. Jay Park - Me Like Yuh
TR-21. KANDYTOWN - R.T.N.
TR-22. Kero Kero Bonito - Trampoline
ロンドン出身の音楽グループ、ケロ・ケロ・ボニトの新曲、良いですね。今回は全編英詞で貫くのかと思いきや、後半のラップパートでお馴染みの日本語詞が登場。80sシンセ・ポップをベースに、ハウスやフューチャーベースへのアプローチも見られるイマっぽいナンバーです。
TR-23. Kings Of Leon - Around The World
TR-24. Lady Gaga (feat. Florence Welch) - Hey Girl
レディー・ガガのニューアルバムからはこの曲を好んで聴いています。フローレンス&ザ・マシーンのフローレンス・ウェルチとのデュエット曲。
このコラボはリリース前から楽しみにしていましたが、良い意味で期待を裏切ってくれましたね。もともと熱唱系のヴォーカルを得意とする二人なので、バトル・スタイルの激しい楽曲になるのかなと思っていたのですが、実際は、初期プリンスのバラードで見られたような、ぐにゃっとしたシンセ主体のミニマルなトラックに、フローレンスの艶やかなヴォーカルを立たせる形でガガがアシストする、肩の力の抜けたバラードでした。トニー・ベネットとのデュエット・アルバムや、デヴィッド・ボウイへの追悼パフォーマンスを経た今のガガならではの、彼女のナチュラルさが出ている良い曲だと思います。
TR-25. Mac Miller - Stay
TR-26. Maggie Rogers - Alaska
TR-27. MINO - Body
TR-28. Mura Masa (feat. A$AP Rocky) - Love$ick
TR-29. Big Baby D.R.A.M. (feat. Erykah Badu) - WiFi
ドイツ生まれのハンプトン育ち。リル・ヨッティーとの“Broccoli”が全米6位のヒットを記録したD.R.A.M.のデビューアルバムからの1曲です。ゲストヴォーカルは、なんとR&Bシンガーのエリカ・バドゥ。
軽快なトラックにアメリカン・ドリームを高らかに歌った“Broccoli”から一転して、今回は80年代のルーサー・ヴァンドロスあたりを彷彿させるスロウ・ジャムです。ゼロ年代頃のヒップホップ・アーティストがアルバム中で1曲は歌うスロウ・バラードをも思い出させますし、テン年代頭に流行ったヴェイパー・ウェイヴの趣きもあり。そして、ここにソウル/R&B界ではベテランの域に入るエリカ・バドゥがデュエット形式で絡んでいます。というのも、エリカは昨年、ドレイクの“Hotline Bling”にインスパイアされて“But You Cain't Use My Phone”というミックステープを作っているんですが、その文脈を拾って今回のデュエットが生まれたという流れがあるようですね。この“WiFi”には、エリカのミックステープ収録曲“Phone Down”を引用したと思しきラインがあり、アンサーソングとして機能しています。
「WiFi」という通信用語が、こうエロティックで魅惑的なワードとなって香り立つ曲もそうそうないので面白いですし、普遍的なR&Bに落とし込んでクロスオーバーを実現しているのも素晴らしい。ロマンティックで良い曲だと思います。
TR-30. Run The Jewels - Talk To Me
TR-31. SHINee - 1 of 1
TR-32. Solange - Don't Touch My Hair
TR-33. tofubeats - SHOPPINGMALL
TR-34. TORIENA × Nagomu Tamaki - R-G-B-I-T
TR-35. The Weeknd - False Alarm
TR-36. The xx - On Hold
UKのインディロックバンド、The xxのニューシングルの登場です。
前作から音の歩みが感じられますね。太いビートの刻みやヴォイス・サンプリングの使い方などヒップホップへのアプローチを感じられるあたりは、ジェイミーのソロ作を経過しているので予想できたのですが、今回はギターのストロークスがこれまでに増してメロディアスなところなど、全体的に色彩豊かでわかりやすい作りなのが驚き。音数の少なさと音色の冷ややかさ、陰影さが武器だった彼等ですが、これは過去最大のBPMと音数ですね。これがどう評価されるのかはわかりませんが、僕は興味深い進化だと思いますしアルバムを楽しみに待ちたいです。
TR-37. Yunomi (feat. nicamoq) - 明けない夜、醒めない夢
インターネット界隈で話題のトラックメイカーYunomi(ゆのみ)と、お馴染みのヴォーカリストnicamoq(にかもきゅ)。最近Village Vanguardから初のフィジカルEP“ゆのみっくにお茶して”をリリースしました。この曲はそのEPの収録曲で、もともとSoundCloudで発表されていた曲です。
和を意識したファンタジックな世界観は健在ですが、この曲はポップでキャッチーななかに、これまでにないドラマティックな展開を見せる、ストーリー性の高いトラックメイキングが特徴ですね。ふわふわしたイントロからいくつもの波を作って迎える終盤ではEDM的展開を見せる、一連の流れが隙なくよく出来ています。もともとはEDMのトラックメイカーだったらしいので納得ですが、EDMをしっかりJ-POPの手法に落とし込んでいるのが良いですね。
TR-38. 宇多田ヒカル (feat. KOHH) - 忘却
宇多田ヒカルのラヴコールによって実現したという、今をときめく気鋭ラッパーKOHHとのコラボ。
荘厳なイントロから、KOHHの第一声に入るところで只ならぬ空気を感じて絶句させられます。KOHHの死生観が反映されているであろう言葉選びから独特のフロウまで圧倒的な世界観。KOHHからバトンを握る宇多田のコーラスパート、特に導入部はゾッとさせられる美しさ。彼女の商業的に低迷しつつも実験的でアート性の高かった時期の、“Passion”のあの厭世観を思い出しました。ちょうど今から10年前ですね。あの当時は彼女のやりたい事が時代の先を行き過ぎていて大衆がついていけていない感じがありましたけど、あの世界観を洗練させて結実させたものが今ここで鳴っているように思いました。
あと、KOHHというまだ大衆には認知されていない実力ある若手アーティストをフックアップしつつ、互いの魅力が引き立つ作りにしている点も素晴らしい。復活アルバムでこういうことがサラッとできてしまうあたり、大物だなあと改めて脱帽させられます。
TR-39. サカナクション - 多分、風。
TR-40. 水曜日のカンパネラ - アラジン
TR-41. フレデリック - ナイトステップ